研修への意欲を高める

研修は受講者が能動的に学び積極的に活用する意識がないと効果は最大化できません。そのため企画サイドでは受講者の学習動機を高めるための工夫が必要です。
社員研修の参加動機が低い
一般的に社員は人材開発などの研修に驚くほど動機付けが低く、告知から実施当日まで企画担当者がお願いにあがらなければいけないような状態です。研修は会社の目標達成のためだけではなく、個人の能力開発の機会なのに残念なことです。この状態が続くと、企業は人材開発に投資する意欲を失ってしまいます。
そこで、学習意欲を引き出すための手段として提唱されているのが「ARCSモデル」です。
ARCSモデル
1983年に教育心理学者のジョン・ケラーが提唱した学習意欲向上モデルで「アークスモデル」と呼ばれています。

感情 | 期待 | |
Attention <注意> | 「おもしろそうだ」 | 興味関心・知的好奇心 |
Relevance <関連性> | 「いまの課題解決につながりそうだ」 「将来のために役立ちそうだ」 | 課題解決・目的指向 |
Confidence <自信> | 「能力アップできそう」 「できるようになる」 | 成長機会・実行意欲 |
Satisfaction <満足感> | 「学んでよかった」 | 達成感・充足感 |
DRMのフレームを活用する
DRMとは「ダイレクトレスポンスマーケティング」の略で、極めて簡単に言えば「見込顧客を訴求する仕組み」です。人材開発の教育学とマーケティング理論は相反しますが、社員の興味関心を得て能動的に受講してもらうために学ぶ分があります。
社内告知を工夫する
話は飛躍するが、もし社外の方を対象にセミナーを開催するとしたら、集客は最重要課題です。そのためポスターやチラシ、WEBのランディングページなど多様な方法で訴求します。その点、社員研修は一応の強制力もあることから訴求が無機質になりがちです。
そこで、マーケティングのコピーライティングのテクニックを参考にすることを提案します。人材開発を企画する部門や担当者のするべきことかの賛否はあるでしょうが、社員に興味関心をもってもらいためのひとつのアイデアです。
PASONAの法則
Problem (問題) | 買い手が抱えている「痛み」を、明確化する。 |
Affinity (親近) | 売り手が、買い手の「痛み」を理解し、 解決する術を持っていることを感じてもらう。 |
Solution (解決) | 問題の根本原因を明らかにし、 「解決」へのアプローチ法を紹介する。 |
Offer (提案) | 解決策を容易に取り入れられるように、 具体的な商品・サービスの「提案」を行う。 |
Narrow (絞込) | 解決策が功を奏して、購入後、 満足いただける買い手の条件を「絞込」む。 |
Action (行動) | 「痛み」を解決するために必要な、 具体的「行動」を呼びかける。 |
「 PASONAの法則 」を社員研修の訴求に活用する
実際、書いてみると後半は社員研修の訴求とは意図がズレますが、「PASO」は社内告知文にも使えそうです。
下記はサンプルですが、単に「営業研修のお知らせ」と日時が書いたメールや回覧を見るよりも参加意欲が高まりそうではないですか…
社外の見込み客を集める意識を持つ
本記事では、教育学と同時に語られることの少ない「ダイレクトレスポンスマーケティング」のフレームを引用しておりますので多様違和感があったかもしれませんが、成果を上げるために固定観念に縛られず多様な手段をテストしましょう。