いかにモチベーションを高めるか

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研修で高まったモチベーションは継続するのか
社員のモチベーションをあげてほしい
長年、研修企画の仕事に携わってっきましたが「モチベーションをあげてほしい」というニーズは景気にかかわらず常に上位でした。しかしロジックのない動機付けは三日も持ちません。急激に上げたモチベーションは急降下します。そもそも人は何に動機付けされるのでしょうか…
「衛生要因」「動機づけ要因」

臨床心理学者のハーズバーグ博士の研究によると、人の動機付けには2種類に分解されます。労働環境の改善や賃金などが「衛生要因」で、達成感や貢献心を満たすものが「動機付け要因」です。
「衛生要因」を満たし不満が無くなっても、「動機付け要因」がないとモチベーションはあがりません。
一方「動機付け要因」を満たしても「衛生要因」に不安があるときも同様です。つまりモチベーションを最大化させるためには「衛生・動機付け」両輪が必要になります。
当サイトが推奨している「人材開発」も重要な「動機付け要因」です。
「外発的モチベーション」と「内発的モチベーション」
アンダーマイニング現象
心理学者のデシの実験では2つの学生のグループにパズルを組み立ててもらうワークをした。初回は両グループとも休憩時間もパズルを解いていた。二回目に片方のグループにだけインセンティブを与えた。この日も両グループともに一所懸命にパズルを解いた。三回目は初回同様に両グループとも報酬なしでおこなった。すると2回目に報酬をもらったグループがパズルへの集中力を失ったそうです。当初は楽しかったパズルが、報酬をもらった途端に「与えられた仕事」になってしまったのです。
人はやりがいを感じて自主的に動くことを「内発的モチベーション」、報酬などでよって与えられる動機を「外発的モチベーション」といいます。つまり先の実験では学生は「内発的モチベーション」で動いていたのに、報酬によって「外発的モチベーション」になってしまったのです。一度、報酬によって動機付けされてしまうと、それが無くなれば動機が失われるのです。
内発的モチベーションを高める要素は「知的好奇心」を満たす仕事にチャレンジさせるのが最適です。
外発的と内発的の思考分類
外発的モチベーション | 短期視点 | 社内評価 | ノルマ | 怒られたくない | 対価で楽しむ | 安定 | |
内発的モチベーション | 中長期視点 | ビジョン | 達成意欲 | 自分がなさけない | 仕事の知的好奇心 | チャレンジ |
このように書くと内発的が絶対的にいいように見えますが、内発的だけに動機付けられる人はマイペースで協調性にかける場合もあります。組織で仕事をする上では外発的な視点も必要です。
それぞれの特性をうまく活用していかなくてはいけません。
モチベーションの原動力
「人材開発内製化プロジェクト」 はモチベーションを高める
【人材開発NET】が推奨する「人材開発内製化プロジェクト」は、内発的モチベーションに繋がるタスクです。自らの仕事を見直し再定義して、ベストな方法を可視化、日常の成功事例を共有していく。コミュニケーションを深めながら競争意識も高まる。まさに内発的モチベーションが上がる日常になるのではないでしょうか。
「やる気」そのものを研修に委ねない
受講者のモチベーションは社内講師の責任外
どんなに優れてコンテンツをつくっても、受講者のモチベーションが低下していると成果は最大化されません。プロの講師であれば、受講者のモチベーションを高めて行動変容させることも役割の一部ではありますが、社内講師に受講者の動機付けまで委ねることは無理ですし、期待すべきことではありません。
経営幹部、管理職がモチベーションを高め研修に参加させる
社内講師がストレスなく研修ができるようにするのは管理職の役割です。間違っても社内講師に「もっとやる気をあげさせろ」とは言ってはいけません。上司は「外発的」「内発的」を意識して部下と意味あるコミュニケーションとリフレクションを心がけましょう。