社員の自主的な学習を支援する

最高の学習は「SD(自己啓発)」
人材育成、人材開発の手段は大きく分けて「OJT」「OFF-JT」「SD」「OCT」の4つです。
OJT | 職場の上席や先輩社員が実際のシーンで見本を示したり、やらせることで現場に即した学習をする。 |
OFF-JT | 職場を離れて社内での内部講師、外部講師の研修及び、外部研修への参加。 |
SD | 社員が自主的な学習で企業側から強制は出来ない。企業によって支援制度がある。 |
OCT | 業務を通じて 新たな挑戦の機会を与え成長促す 人材育成法 。 |
そのなかで「SD:Self Developmen(自己啓発)」は、社員が主体的に取り組むという点において最も学習意欲が高いと言えます。企業はSDをいかに推奨すればいいのでしょうか。
「SDS( 自己啓発援助制度)」は機能するのか
「SDS:Self Development System(自己啓発援助制度)」は、自主的な学習を企業が支援をする制度です。業務で活かせる資格取得などの学習費用を一部負担する考えです。しかし基準が難しく社員が申告するセミナーを調査して判断しなくてはいけません。そのプロセスが逆に学習意欲を削いでしまうこともあります。
やはり「SD」は自分の時間とお金をかけるほうが、本人にとっても効果があると考えます。
職場内の学習会を推奨する
社内の有志による学習会をおこなっている話をよく聞きます。就業前に集まって様々なテーマを出し合って「SD」をおこなっているそうで、素晴らしいことだと思います。
このような行動を促進するために例えば、企業サイドから早朝「SD」に関しては朝食を支給するというのはいかがでしょうか。給与に1000円入っていても嬉しくないので、Uber Eatsでスターバックスが届くなどすれば参加者も増えて盛り上がりそうです。

この時は上席や人事部門の方は出来るだけ関与せずに報告も求めないほうがいいでしょう。きっと求めなくても、「こんなことやってます」「こんな成果がありました」など、話してくれるでしょう。
とにかく口を出すと「SD」の効果は低下します。是非、支援して任せるという制度をご検討下さい。
オンライン学習サービスに注目
いま多くのビジネスパーソンがオンライン学習サイトを活用して自己啓発をしております。特にコロナ禍で可処分時間が増えたことと、危機感を感じた人が多かったのか急拡大しております。ここでは代表的な2サイトを紹介します。
世界最大級のオンライン学習プラットフォーム Udemy
「Udemy」は、世界最大級のオンライン学習プラットフォームで、世界中の学びたい人と教えたい人をオンラインでつなぐサービスです。日本ではベネッセが事業パートナーとして協業をしています。
いわゆるオンデマンド教材ですので時間と場所を選ばず学習が可能です。実際、私も受講者としても講師としても活用しております。 どちらかといえばプログラミングなど先端技術の講座が充実していて人気もあるイメージです。
主に個人向けで有名になっておりますが「 Udemy Business 」として法人向けサービスを充実させています。定額制学び放題サービスとして20名から契約が可能になっております。

まなびのマーケット 国内最大級スキルシェア「 ストアカ ]
「ストアカ」は教えたいと学びたいをつなぐまなびのマーケットとして、対面型、オンラインの両輪でサービスを展開しています。講師数も受講者数も急拡大しており、こちらも私も利用させていただいております。
原則、リアルタイムでの学習で内容はビジネススキルや趣味の講座まで幅広くなっております。
「ストアカ」も法人向けサービス「ストアカ for Biz」があり、企業の 「SDS (自己啓発援助制度)」の支援となるサービスを展開されています。
このようなサービスを活用して「SDS (自己啓発援助制度)」を推進して、「OFF-JT」と連携させていけば効果は高まるでしょう。

私の組織内「SD」の経験談
私は会社員時代に早朝の「読書協調学習会」を主催していました。
そこでは参加者は同じ本を読んできて、発表とディスカッションを繰り返します。
この時のルールは「他者の受け取り方を否定しない」「意見を一致させなくていい」だけです。
仮にAさんが「X」、Bさんは「Y」、Cさんは「Z」 という理解を発表したとします。ディスカッションするうちに、他者の意見に変わるかもしれませんし、自分の意見は変わらないかもしれません。でも、それでいいのです。
私はファシリテーターを務めていましたが、ルール通りグループの意見をまとめずに終了します。
結果的にAさんがスタート時の「X」が「Xダッシュ」になったり、Bさんは「zY」に進化していれば、それが成果です。自分一人では辿り着かなかったインプットが出来たのです。
実際、10年以上前になりますが、ここで取り上げた書籍は比較的記憶に残っています。
いかに「SD」を動機つけるか
自発的な学習に取り組む土壌をつくるのも人材開発の役割です。