【安全とサービス】おもてなしの心で働く誇りを 矢部輝夫 講師

鉄道人生の半分以上を「安全」という仕事に費やしてきました。

矢部輝夫 <やべてるお> おもてなし創造カンパニー 代表


合同会社 おもてなし創造カンパニー 代表
元・JR東日本テクノハートTESSEI おもてなし創造部長
東日本旅客鉄道株式会社「前・安全の語り部(経験の伝承者)」

1966年~
日本国有鉄道入社。以後、電車や乗客の安全対策を専門として40年勤務し、安全対策部課長代理、輸送課長、立川駅長、運輸部長、指令部長の職を歴任。

2005年
鉄道整備株式会社(2012年に、株式会社JR東日本テクノハートTESSEIに社名変更)取締役経営企画部長に就任。従業員の定着率も低く、事故やクレームも多かった新幹線の清掃会社に「トータルサービス」の考えを定着させ、日本国内のみならず海外からも取材が殺到するおもてなし集団へと変革。

2011年
専務取締役に就任。

2013年
専務取締役を退任、おもてなし創造部長(嘱託)。

2015年
おもてなし創造部顧問を経て退職。合同会社「おもてなし創造カンパニー」を設立し代表となり、現在に至る。

東日本旅客鉄道株式会社の「前・安全の語り部(経験の伝承者)」(2009年~)を務め、この間の取組みと実績に対し、経済産業省「おもてなし経営企業選」、企業情報化協会(IT協会)「サービス・ホスピタリティ・アワード特別賞」を受賞したほか、ハーバード大学ビジネススクールが2015年からMBAのケーススタディとして採用。

矢部輝夫 氏 のメッセージ

鉄道人生50年で気づいたことをみなさまにお伝えしたい

それが私の想いです。私は、鉄道人生の半分以上を「安全」という仕事に費やしてきました。多くの悲惨な事故を目のあたりにし、なんとかこうした事故を絶滅したいと思い続けてきました。でも、事故は繰り返し起こり続けたのです。 なぜ事故は繰り返すのか。私はこれまでの対策が、いわゆる事故防止のための「テクニック」にばかりを追い求めていたと、ある日気づいたのです。

安全とサービスとは同次元の世界

組織は、そこに働く人々によって形づくられています。そして、そうした人々が組織の「出力」「生産」、つまり、安全はもとより、サービス、おもてなし、製品製造、収益、コンプライアンスなどを担っているのですから、すべて「同次元」の世界だといえます。 そして、そのすべての基本は「人」なのです。「人」で成り立つ組織は、複雑でガラス細工のように脆いといえましょう。そうした「人」を「テクニック」でコントロールし変えていこうとしても無理だと気付いたのです。

新しい3K 「感謝、感激、感動」

私が日本国有鉄道、そしてJR東日本の鉄道マンとして40年の務めを終えたのち、子会社である新幹線清掃会社TESSEI(テッセイ。正式名称は株式会社JR東日本テクノハートTESSEI)へ移ったのは2005年。TESSEIは、いわゆる「3K」(きつい、汚い、危険)の職場でした。その職場を新しい3K「感謝、感激、感動」へと変革させようと考えました。その原動力は、鉄道人生の中で培ってきた「人」を見つめ続ける視点だったのです。 テッセイが注目されるようになり、各方面から講演のご依頼をいただくようになりました。その講演後の質問の中で「テッセイに来て一番苦労したことは何ですか」と聞かれることが多いのですが、その時はこうお答えしています。「おばちゃんたちが私の方を向いてくれること。この人が私たちのリーダーだと思ってもらえること」だったと。

三人の石切職人の寓話

 2008年、世界のマーケットをリーマン・ショックが襲いました。そのとき、ハーバード・ビジネス・スクールを含む世界のビジネス・スクールが厳しい批判の矢面に立たされたと聞いています。ちょうどその時期、ハーバード大学のキャサリン・ドリュー・ギルビン・ファウスト学長がハーバード・ビジネス・スクール百周年記念講演の中で、三人の石切職人の寓話を持ち出しました。こんな話です。 三人の石切職人になぜ石切職人をやっているのかと問いました。一人目は、生活のため。二人目は、国で一番の職人になり金を儲けるため。三人目は大聖堂を建てるためと答えます。ファウスト学長は、「成果主義一辺倒のウォール街の住人は、二人目の石切職人」と断じ、大聖堂を建てる目的がなければ石は必要ない、そのことをウォール街の住人はわかっていないと揶揄したのです。

ハーバード・ビジネス・スクールが注目する理由

ハーバード・ビジネス・スクールがTESSEIに注目し、すでにケーススタディとして講義が始まっています。彼らが注目する遠因はここにあると私は考えています。石切職人という「ボトム」にいる人たちを大切にし、彼らに明確な目的意識をもたせる経営をする。それが、これからの経営者・リーダーに求められる資質だと、彼らは考えているのでしょう。そして、私たちTESSEIが、まさにそれを体現していると見てくれたのだと思います。

100の会社があれば100通りに改革のやり方がある

こうした私どもの挑戦を広くみなさまにお伝えし、日本の持つ大きな力として共有していきたいと思います。100の会社があれば100通りの改革のやり方があると思います。私どもの事例が直接みなさんの力となり得るかどうかは、未知数ですが、「人」を重視するという視点は変わらないと考えます。ぜひお声をかけていただきたいと思います。

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